【書評】夢をかなえる勉強法

仕事学のすすめ 伊藤真

この本の著者、伊藤真(いとうまこと)氏は司法試験予備校、伊藤塾を運営する東大卒の弁護士です。

この方に興味を持ったのは5、6年前にNHKの『仕事学のすすめ』という番組に出ていたのを見てからです。
司法試験という日本で最難関の資格試験の受験者には働きながら勉強する方も多く、どうやって勉強時間を捻出するか、モチベーションを維持するかといった内容でした。

伊藤氏のアプローチも『朝2時起き』シリーズの枝廣さんと同じように、まず合格したところを想像してそこから現時点に戻ってくる、というバックキャスティング方式でした。

東大の人ってこの手法好きなんですかね、私なんかそういうの想像しちゃうともう受かった気になって遊びまくり、あげくに受かってもいないのに「東大生でーす」とか言っちゃいそうで怖いっす、自分が。

東大卒の弁護士、のイメージを変えた伊藤真

東大卒の弁護士、なんて絵に描いたようなエリート、私の最も苦手とするタイプの人種ですが、この方は少し変わっていて弁護士といっても、『行列のできる法律相談所』に出てくるような頭の固いクソジジィのイメージはありません。

見た目もあんなツルッパや隠滅な人相ではなく、長身、フサフサの黒髪、穏やかでスマートな物腰、とツッコミどころがなく、これはこれで嫌みですな。
どっか、欠点ねーのかよ、って思うじゃん。

私のような欠点しかないunderdogからは全く接点の無い立ち位置の人間、と思われるのですが、ところが意外とこの人って人間的なとこあって、世間的にはどうしようも無いくらいのエリートなんだけど、本人の中でエリートとしてのせいこうより、もっと別の職人的な熱い思いがあり、それが司法試験予備校の創立、というところに繋がっていったようです。

このあたりの葛藤はこの本ではなく、別の本に書かれていたのですが、この方の一連の著書を読むと東大卒の弁護士にもわりと良い人いるんだぁ、と目からウロコ。

この本は自分の夢を実現するための勉強のコツ、がガッツリ盛り込まれた一冊。

東大行って、そこからさらに司法試験受かるような人なんて相当地アタマが良いんだろうな、と思いますがそれだけではない泥臭いまでに必死に勉強する様子が書かれていて、
「もともと、アタマの良い人でさえこんなに勉強するんだぁ」という畏怖の念すら抱いてしまう。

勉強法だけでなく、思うような成果を得られなかった時の気持ちの切り替えや、自分のモチベーションをコントロールする方法にも触れられています。

この本は

  1. いちばん大切なこと
  2. 勉強のコツをマスターする
  3. 挫折しそうになったときの対処法
  4. 勉強すればするほど人は磨かれる
  5. 夢をかなえる思考術

の5章で構成されていて、どの章も読んでいてササるものがありました。

特に興味深かったのが4章に書かれていた勉強の面白さについて。

勉強の面白さは全部で5段階ある

第一段階:テストなどで点数が取れて楽しいというゲーム感覚の面白さ
第二段階:上記が世俗的な成果に結びつく面白さ、満足感。
つまり良い学校に入れるとか資格試験に受かる、とかといった実質的なメリット。
第三段階:自分が成長したという満足感
第四段階:結果そのものより勉強しているプロセスを楽しむ満足感、いわゆるランナーズハイみたいな感覚

通常はこのあたりまでがMAXらしいのですが、これをさらに突き抜けると

第五段階:追い求めていた以上のものを発見できたり、次元の違う地平に到達できたりした時の高揚感、至福感

正直、私などは第二段階くらいまでしか理解できませんが、自分が勉強している分野、英語にしろ、ITモノにしろ一度で良いから第五段階に達してみたいと思います。

そこからまた新たな景色が見えたり活路が開けたりするのではないか?と思ったりします。

勉強のモチベーションが下がった時、資格試験や翻訳のトライアルに落ちた時などに読むと気分を上げにしてくれる一冊です。