【書評】「英語が話せない、海外居住経験なしのエンジニア」だった私が定年後に同時通訳者になれた理由

書評

昨年読んだ本の中で衝撃度MAXだった本です。

といっても内容は衝撃的なわけでなく、著者は大手企業のサラリーマンでもともとはあまり英語に興味が無かったのが押し寄せる外資の波にもまれるように30歳~50歳までは通常の英語学習者として仕事をしながら英語の勉強をし、55歳からは週末に通訳学校に通い始め、定年を迎えた60歳から通訳として働き始めたという、今年67歳になられる同時通訳者の田代真一郎さんの英語勉強法が淡々と描かかれています。

淡々とすごいことをやっているとこがスゴイ!

何でもかんでも物事を斜めから見てナンクセつけちゃう、嫌な性格の私ですが、この本に関してはもうナンクセ付けようがないっつうか、素直に「ははぁ~」と頭を下げてしまう。

<(_ _)> <(_ _)> <(_ _)>

田代真一郎氏

1950年生まれ

名古屋工業大学卒業後、日立造船(株)と三菱自動車工業(株)で定年まで勤務。

50歳からの数年間、ダイムラー・クライスラーとの共同開発や協業に従事され、このとき英語コミュニケーションの重要性を痛感し、55歳でサラリーマンをしながら通訳学校に通い始め60歳からはフリーランスの通訳者、のみならず翻訳者、講師としてもさまざまな方面で活躍されてる、まぁ、言ってしまえばスーパーシニア。

仕事をしながら英語の勉強をするっていうのはよくある話で、それ自体は大したことないっていうか、ま、大抵の人やってるし。

この方の場合は仕事でも必要性があったわけだし。

英語を仕事で使える、というのは英語学習者にとっては恵まれた環境、とさえ言える。

凄いな、と思うのはその後もさらに本格的に勉強を始めていくところ。

ダイムラーとの協業が終わり、とりあえず「やれやれ、黒船は去った」感があったのは50代半ば頃、黒船は行っちゃったんだからもういいや、にならずもっと英語を自在に駆使できるようになりたい!と言う思いを強くし英会話学校ではなく通訳学校に通い出す・・・

しかも学校があるのは大阪・・・

田代氏は名古屋在住。

毎週土曜日の午前の講義に出るためには5時半に起床して新幹線で通学。

土曜の朝、なんて会社勤めの人間にとっては最も朝寝坊したい瞬間、加えて名古屋から大阪までの新幹線代もバカにならない(片道5,830円)。

これって通学代だけでも月4万円超え・・・

さすがにこの時は少し迷われたようですが、この方の決断はいつも「やってみる」です。

この週末の朝5時半起き大阪通いを約2年間されたわけですが、コレって何気に結構すごくないですか?

半年とかだったらともかく、2年間・・・

平日は会社もあるのでのんびりしてられないだろうし。。。

また、宿題や予習もあるだろうし・・・

50代半ばのサラリーマン、といえばもう定年見据えて、の~んびり、ゆる社畜で日々過ごしていれば、この方の会社であれば老後の年金暮らしでもそこそこ余裕ではないかと思う。

退職金もすごいだろうし・・・って私、セコイっすね。(^_^;)

チャレンジする姿勢がスゴイ!

しかし、そんな60超えたら楽隠居、みたいなナマケモノの考えに安住しないのですよ、この方は。

この本の中でも

何事も現状にとどまるのではなく「動く

ということを言われています。

約30社の通訳エージェントに書類を送り、仕事のきっかけをつかんでいく様子もご自身のサラリーマン時代の栄光や変なプライドにしがみつくことなく

「通訳者としては新人」

ということを言われていてとても好感が持てます。

この本を通してこの方の人間性にもとても好感がもてちゃうんですよね。

自慢するわけでなく、説教臭いこと言うわけでなく・・・

余計な事を書かないとこがスゴイ!

このテの本ってたまに自分のプライベートを得々と語る作者(女性に多い)がいますが、この本の中では田代さんは仕事以外のプライベート話はほとんど出てきません。

男性にありがちな奥さんが協力してくれてどーしたこーした、
子供が産まれて一国一城の主としての自覚がどーのこーの、
みたいな「そんな情報、求めてませんけどぉ~」なエピソードは一切無しです、気持ち良いったらありゃしない。

英語の仕事や学習に限らず、

今後、自分はどしたらよかと?

とお悩みの方(私ですね、確実に)は一度読まれてはいかがでしょうか。

 

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