昨日、書きたかったのはこの本↓のことだったのに、戸田奈津子氏を引き合いに出した途端にどうも彼女の話にシフトしてしまった。どうにもこうにもスルーできない存在なもので・・・
↓の本の著者は「定年からの通訳デビュー」のブロガーさんで、文字通り、定年まである会社でサラリーマンをされその後、同通になられた田代真一郎さんと言う方です。
この本は私が常日頃抱える加齢への不安を軽減してくれた一冊です。
年を取る、というのは若い頃であれば見た目の劣化が一番の不安でしょうが、そのうち、それが体力の劣化、脳(知力、記憶力)の劣化。経済力の劣化。。。へとどんどん拡大、深刻化していくわけで・・・
私なんていつもあと数年したら自分はもう仕事ないんじゃないか、と言う不安が常につきまといもっと若いうちにあれをやっとけば良かった、これをやっとけば良かった・・・みたいな考えてもしょうがない事ばかり考えてしまう時があります。そして何もやる気が出なくなる負のスパイラルへ・・・
そんな時にこの本を読むと「今、やれることを精一杯やってみよう。怖がらずに前に進もう。少しでも興味があるならとにかくやってみよう、お金と時間が無駄になるかもしれないけど、ならないかもしれないじゃん!」と前向きな気持ちになれるのです。
定年まで一つの会社(この方は2つの会社のようですが)に務め上げて定年退職した方って私の勝手なイメージだと世渡り上手な事なかれ主義の社畜ヤローっていうイメージが強いのですが(すいませんね、事実、私の周りはそうだったもので)、この方にはそんなマイナスのイメージが全くなく、多分、この方は定年後に通訳で成功しているように、サラリーマンでなく他のことをやったとしても成功したのではないかと思います。平たく言えば、どの方向に行っても成功できる人、だと思います。
もちろん、それを支えているのはこの方の聡明さや勤勉さなのですが、その辺りをヘンに強調する事無くサラッと書かれていて好感が持てます。もちろん、小熊弥生氏のようなやたらめったら暑い、いや、熱いほとばしる情熱と努力のゴリ押し、いや、パワフルな影響力も魅力ではありますが。
この本、印象的な箇所はいっぱいありますが、一番印象的だったのは60歳で定年を迎えた時に、再雇用制度を利用すれば65歳まで会社に残れるのにそれをせずに新人通訳、の道を選択された箇所でした。
私が関わっている会社では最近、定年を迎えられる方が結構多いのですが、どなたも一年でも多く残ることに躍起になっていて、上の人へのすさまじいアピリっぷりに周りがどれだけ辟易しても、意に介すことなく残るのです。その人がいるせいで他の若い方々の負担が増える、というような事態であっても長年会社に貢献した功績?を言い張って残るのです。その鋼のメンタルがあるならどこ行っても大丈夫だろうと思うけど。
恐れることなく新天地へと進んでいくこの著者の方を心から尊敬しますし、自分もそうありたいと思う。
この方のブログは多忙のため現在休止されているようですが、再開されるのが待ち遠しいです。
コメント