ロン・ウッド、いくつになってもバカと可愛いが紙一重

書評

It’s Only Rock ‘n’ Roll Written by Jo Wood

本日はRolling StonesのRon Woodの元ヨメJo Woodが書いたこちらのブックレビュー

It's Only Rock 'n' Roll: Thirty Years with a Rolling Stone (English Edition)

Ron Woodと言えばストーンズの中では一番若く(っつっても今年73歳ですが)、ギタリストとしてスッゲーわけでもないので、ブライアン・ジョーンズの死後定まらなかったストーンズのリズムギターのポジションに見事に収まり早45年、わたしストーンズの中ではロン・ウッドが一番好きっス。

ブライアン・ジョーンズの亡きあと、ミック・テイラーでなくなぜロン・ウッドがストーンズにハマったのかキース・リチャーズのこの著書によると結局、性格だったみたい。

この本↓は彼女自身の生い立ちとロン・ウッドに出会ってから別れるまでが彼女の言葉で語られた自叙伝。

Ron Woodと元ヨメのJo Wood

ロン・ウッドと若い頃の2ショット。↓
見るからにRock Chickのジョー。
ミックやキースのカミさんと比べるとB級感がハンパない。

こちらは熟年夫婦になってからのツーショット。
まぁ、気どりのなさそうなオバサンというか、ミックの元ヨメのジェリー・ホールなんかに比べりゃ友達になれそうな感じ?

で、気取りがなくB級感が漂うジョーですが、この本もご本人同様B級感が満載。

そして、見た目通り学生時代は成績が悪く学業にはまったく興味を示さず早い時期からモデルになることを夢見る10代の日々。

で、裕福な実業家と10代のうちに結婚し子供も産んだのですが、やっぱモデルとして活躍したいということやあとよくわからん旦那への不満が噴き出てカメラマンと浮気するわ、家出するわで強引に離婚。

その後22、23歳であるパーティでロン・ウッドと知り合い、向こうが一方的に口説いてきた、と彼女は言う。

既にロン・ウッドはストーンズのメンバーだったが、ジョーはそれを知らず彼に興味を示さなかったのでよけい向こうが燃えてきた、と彼女は言う。

このあたり、自叙伝ならではの「あくまでも本人によると」な話が満載。

面白いのは中盤から後半にかけての苦境の時代

英文は凝った表現もなくシンプルで読みやすいほうだと思います。

洋書に慣れてなくてもストーンズが好きであれば問題無く読めるレベルの英文です。

正直、この本の前半の彼女自身の生い立ちはさほど興味もなく、他愛もないのでもっと短くしてロンとの話をもっとたくさん書いて欲しいところ。

この本のハイライトはロン・ウッドと出会い、クスリにハマっていくところや80年代ストーンズがツアーを中止したため収入が無くなり、そこへもってきて怪しげなエージェントに騙されかなり経済的にひっ迫したあたりは結構面白い。

ロン・ウッドが自分が書いた絵を売り始めたのはこの経済危機が原因だったらしい。

で、せっかく画家としてのセンスもあるのだから、と絵を売ることを薦めたのは奥さんのジョーだったと、これまた本人の弁。

随所でロンの成功(髪型やファッションも含め)を支えたのは自分、みたいなのがハナにつきイラっとすることもあります。

っつうかさ、出会った頃すでに髪型もファッションも固まってたっつうの!

多少、イラつきながらも読み進めてくと後半になると、ロンのひどいドラッグ依存の状態や度重なる浮気で能天気なdumb blondeだった彼女が更年期真っただ中の中年女性へと変貌していく。

でも、ロンって浮気はいっぱいしたけど結婚生活は付き合ってた頃も含めると30年以上続いていたので愛妻家というのは正しいのかも。

Ron Woodとの間の子供は二人(真ん中の幼い二人)、ロンの連れ子一人と自身の連れ子一人で合計4人の子供たちと↓。

40歳年下のカクテルウェイトレスへ走るロン・ウッド

Dumb blondeのRock Chickから更年期の中年女に変貌したジョー、彼女がそうなったのはロンが心配かけまくったからだと言うのも忘れ?若い女に走るロン・ウッド。

それまで、女性関係は色々あっても我慢してきたジョーが我慢できなかったのはロンが61歳のとき19歳のロシア人カクテルウェイトレスのもとへと走ったこと。
ロン・ウッド、61歳とは思えぬくらい老けてますな。右は浮気相手のエカテリーナ(19歳)。

恋人同士、というより爺さんと孫のような・・・
あの、この女性、何となくジョーに似てる。。。

この頃になるとまったく家庭を顧みなくなり家を出たっきりになったロン・ウッドにさすがに愛想をつかしたジョーは離婚を決意。

慰謝料で家を買う元ヨメ:ジョー・ウッド

慰謝料としてもらったお金でマイアミのビーチに家を買い、「さぁ、ここから私は再出発、夫を失ったかもしれないけど家は手に入れた」的に締めくくってるんだけど清々しさはゼロ。

読んだあと、こんなに書き手に共感しない自叙伝も珍しいかもしれない。

何だろう・・・

「ジョー、お疲れ様、大変だったね」と言うより何でロン・ウッドはこの女性に魅かれたんだろうと思ってしまった。

別に悪い人じゃなさそうなんだけど。

愛しのレイラのモデルになったパティ・ボイドのような神々しい美しさでもなく、オノヨーコのような毒気があるわけでもなく旦那が有名人なので自分も有名人と勘違いしてるようなお間抜けさと、それに乗じて自分のオーガニックフーズやコスメのブランドを立ち上げるという小賢しさがちょっと反感買うのかも。

ロン・ウッドの不思議な魅力だけが残る

で、結局Ron Woodはこのウェイトレスとも別れ現在はこちらの31歳年下の女優、サリー・ハンフリーズと結婚

しかも、2016年には双子の女の子が誕生してまぁ、いつまでもお盛んというか・・・Forever 21 というか・・・

結局、著者のジョー・ウッドよりロン・ウッドのいつまで経っても変わらぬ無邪気なバカっぽさと可愛いさが印象に残る、ストーンズって最強だなと思った一冊。

読んだ後に得られるようなものなありませんが、英文を数多く読みたい、ストーンズが好き!と言う人向け。

Kindleで十分だと思います。

 

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